東国の熱量を届ける

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インタビュー

運動初心者に寄り添うパーソナルジム『SUCCESS』が目指す、
地域の健康寿命を引き上げる挑戦

小幡 昇永さん

パーソナルジム『SUCCESS』代表

SUCCESS小幡様

千葉県成田市。成田空港を抱え、世界への玄関口として活気あふれるこの街で、運動初心者や体力に自信のない女性たちから絶大な支持を集めるパーソナルジムがある。

その名は『SUCCESS(サクセス)』。代表を務める小幡昇永さんの歩みは決して平坦ではなかった。ビジネスでの裏切り、人間不信、阻まれた計画、そして再起をかけたさつまいも畑での泥まみれの日々。

どん底から這い上がり、整体ベッド1枚から立ち上がった小幡さんが語る、悔しさを力に変える経営論と、地域の健康を支える熱いビジョンに迫る。

挫折をエネルギーに変える
「悔しさとコンプレックスの重油論」


 ――小幡さんの個性(キャラクター)の原点を教えてください。

私の原点は成田市にあります。体を動かすことが大好きで、同級生は5名という小さな小学校で育ちました。中学校で自分より足の速い人と出会ったとき、ショックとともに「上がいるのは面白い!」と競争の楽しさに目覚め、サッカーと空手の両立に没頭して心身を鍛え上げました。

――そこから、どのようなきっかけでトレーナーを志したのですか。

高校2年生の冬、試合中に足首を捻挫して全治3か月の重傷を負ってしまいました。グラウンドに立てない焦りの中でトレーナーや柔道整復師、理学療法士や鍼灸師と出会い、体を整える仕事の重要性を知ったんです。これが「トレーナー」の道へ進むきっかけになりました。あの痛みを知っているからこそ、今、体に悩むお客様の痛みに心の底から共感できるのだと思っています。

 

――その後、海外や大手ジムでの修行を経験されたのですね。

はい。本物の知識を得るには海外の先進的な知見が不可欠だと直感し、アメリカのロサンゼルスへ渡りました。現地の献体解剖にも立ち会い解剖学を修め、「自らを鍛え、その実践をお客様の価値に還元できるプロになろう」と決意したんです。

帰国後は大手ジム『RIZAP』に入社し東京と札幌に配属。この頃20代前半、がむしゃらに働き接客の基本を叩き込まれた期間は、今でも大きな財産です。

――独立の過程で大きな挫折があったと伺いました。

あるオーナーから「成田でジムの代表をやらないか」と誘われ戻ってきたのですが、オープン直前にコロナ禍が直撃しました。オーナーの運送会社で働きながら待機するなか、開業予定の現場を見に行ったら大工さんから「目処は立っていない」と明かされたんです。信じてくれた仲間からも不満が噴出してチームは離散。激しい人間不信に陥り、すべてを撤退せざるを得なくなりました。

 

――そこからどう立ち直ったのですか。

仕事を新しく探していた際、成田の大栄にあるさつまいも農家を紹介して頂き、畑で土を掘る日々を過ごしていました。そんなある冬の日、畑にテレビ番組の取材が来て、タンクトップ姿でさつまいもを掘る様子が全国放送されたんです。それを見た知人から「仕事変えたの?」と言われて、冷たい水でさつまいもを洗いながら感情が決壊しました。

「俺の本当にやりたい仕事はこれじゃない!」と、悔しさが込み上げてきて、改めて考え直すことができたのです。

 

――その悔しさが再起のエネルギーになったのですね。

はい。その後ご縁で地元の先輩から連絡があり、先輩の事務所の一角を借りて整体から再起しましたが、売上を先輩の接待交際費に使い込まれるなど、二度目のトラブルに遭い、「もう誰も頼らない」と誓い、手元に残った1枚の整体ベッドだけを持って融資を引き出し、『SUCCESS』を立ち上げました。

きれいな「夢」より、心の底にある「悔しさ」という重油のような燃料のほうが、はるかに馬力があって長持ちします。逆境を乗り越えてきたからこそ、今はどんな状況も「冷静なゾーン」に入り、目の前の課題をクリアしていける自信があります。

SUCCESS小幡様

マニュアルを排した「深い対話」と、
運動初心者に寄り添うカスタマイズ

――SUCCESSの具体的な事業内容を教えてください。

SUCCESSは、解剖学や整体の技術をベースにしたオーダーメイドのパーソナルトレーニングジムです。私たちの強みは、「ターゲットを運動初心者や、ダイエット・体力・体型に自信のない女性や生活習慣病に困っている方」に絞っている点です。運動に対して苦手意識がある方にこそ、自己流の運動で体を痛めてしまう前に来ていただきたいと考えています。そのために最初のカウンセリングや、関節の可動域や筋力を調べる「身体評価(メジャリング)」を入念に行います。

 

――なぜ、「身体評価」がそれほど重要なのでしょうか。

頭の中のイメージと実際の体の動きが大きくズレている方がとても多いからです。大人の運動会のように、気持ちばかり焦って体がついていかずにケガをしてしまう現象ですね。ズレを無視して筋トレを始めても、体を壊してしまいます。

まずは関節の柔軟性を整え、正しく動けるベースを作ってからメニューを提案しています。最も大切にしているのは、表面的な目標の奥にある「なぜ変わりたいのか?」という深い動機を引き出すこと。「コンプレックスを克服したい」といった熱い思いを共有できたとき、トレーニングは一生物の素晴らしいライフスタイルに変わります。 

――成田における、独自の勝ち筋はどこにありますか。

大手のパーソナルジムは徹底した「マニュアル」を用意していますが、それはどうしても表面的なコミュニケーションになりがちです。人は、相手が本当に自分に関心を持ってくれているかどうかを敏感に見抜きます。

私は「この人のことを本気で知りたい、良くしたい」という1対1の真剣勝負のスタンスでしか向き合いません。 だからこそ、私たちのジムにはマニュアルがありません。セッション時間外でもまめに連絡を取り合ったり、手書きのカルテでお客様の日々の心理状態の変化を観察したりしています。

最後はやっぱり「人」なんです。ビジネスという枠を超えて、家族や親友のように深い信頼関係を築けたとき、その熱量が別のお客様を呼び、コミュニティが広がっていきます。大手のような「設備や箱の魅力」ではなく、「トレーナーの人間的な魅力」の1点突破で勝ち続けていることが、SUCCESSの強みです。

目指すは「保険適用」。
病気を未然に防ぐ地域のウェルネス・インフラへ

――小幡さんが描く、未来のビジョンを教えてください。

私が本気で目指している究極のゴールは、パーソナルトレーニングを「社会保険の適用サービス」にすることです。

生活習慣病の大部分は、正しい「運動」「栄養」「睡眠」を整えていれば、未然に予防し改善することができます。不調があるとすぐに薬を頼りがちですが、それは延命処置に近いことが多いです。病院に行く前の段階で、私たちトレーナーが「健康のフィルター」として機能し、病気を未然に防ぐ社会を創りたい。これが、私たちの果たすべき「ウェルネス・インフラ」としての使命だと思っています。

 

――日常のインフラになることで、地域の人々の暮らしはどのように変わるのでしょうか。

健康になり、自分の体に自信がつき、体力が余るようになると、人々の生き方そのものが能動的(アクティブ)に変わっていきます。 体力がつくと、それまで休日は家で寝ていた人が外へ出て新しい趣味を始めたり、地域のアクティビティに挑戦したりと、人生の選択肢が広がります。

年齢を言い訳にせず、自己実現していくアクティブな大人が増えれば、成田という街全体が明るくエネルギッシュな場所に変わっていきます。健康寿命が延びれば、地域の産業を支える活力になります。私たちは、その温かい好循環の起点になりたいです。 

SUCCESS小幡様

「脳筋」を捨て顧客の成果にコミットする、
代えのきかないプロの職人集団

――現在、SUCCESSを経営していく中でのリアルな課題や、組織のボトルネックはありますか。

一番のボトルネックは、私自身、つまり「代替のきかないトレーナーとしての存在感」そのものです。 ありがたいことに「小幡さんに見てほしい」と指名してくださる方が多く、現場につきっきりになっています。これは経営の視点から見ると、事業がストップしてしまう大きなリスクでもあります。

多くの経営者は多店舗展開を急ぎますが、私はおじいちゃんになっても現場で「職人の極み」であり続けたいですし、技術が薄まった店舗を増やすより、「あそこに行けば絶対に体が変わる」と本物志向の方に認めていただける、唯一無二の最高の店舗を創りたいのです。

同じ熱量でお客様に向き合える「本物の職人」をどう育てていくかが、今向き合っている一番の課題です。

 

――SUCCESSが求める「右腕」の絶対条件とは何でしょうか。

「筋トレをして良い体になったから指導したい」という、「自分の筋肉ファースト(脳筋トレーナー)」はいりません。自分のトレーニング時間を優先してお客様を後回しにするような、顧客ファーストになれない方はプロではないと考えています。

求めるのは、プロとしての「圧倒的な準備力」と「高いコミュニケーション力」を持つ人物です。チームスポーツで優秀な選手がグラウンド外でも細かい準備やケアを怠らないのと同じように、目の前のお客様の背景や悩みを深く想像し、徹底的な準備をしてセッションに臨めるか。自分の筋肉ではなく、お客様の幸せと成果に120%コミットできる情熱を持った方と巡り会いたいです。

 

――SUCCESSで得られる「働く価値」を教えてください。

大手のジムでマニュアル通りにお客様をこなすだけでは、「作業としての接客」しか身につきません。SUCCESSで私のすぐ近くで働き、お客様一人ひとりの人生に深く寄り添う経験は、AIやロボットには真似できない「一生モノの対人価値」を授けます。自分の力でファンを作っていく。トレーナーとしての「本物の職人技術」を本気で高めたいと願う方にとって、これほど自己成長を実感できる環境は他にはないと思っています。

SUCCESS小幡様

人に優しくあるための「深夜の限界筋トレ」と、
成田が誇る最高の「勝負飯」

――小幡さんは非常にストイックな印象がありますが、日々のセルフケアで絶対に譲れないルーティンはありますか。

 毎朝の「朝風呂」だけは、中学校の時から1日も欠かさず続けています。朝一番にお風呂に入って、体のスイッチをパシッと入れてから1日をスタートさせるのが私の鉄則です。

また、仕事のセルフケアとして、早朝や夜のセッションが終わった深夜に、あえて「他社さんのジム」へ行って自分の肉体を極限まで鍛え抜いています。お客様が使うSUCCESSの器具を汚したくないというこだわりもありますが、それ以上に「自分の体力を一度ゼロにする」ことが目的です。

 

――体力をゼロに、するんですか?

怒りっぽかったり、人にトゲトゲしく当たってしまう人は、体力が余っていることが多いと思うんです(笑)。私は限界まで肉体を追い込んで、余計なエネルギーを完全に使い切ることで、人に対して心の底から優しくなれます。周囲の大切な方々にいつも穏やかで、広い心で接するための、私にとって筋トレは不可欠な「心のセルフケア」であり、お客様目線を忘れない最高の儀式なのです。

 

――人に優しく接するためのトレーニングなのですね。そんな小幡さんが愛する、成田の「勝負飯」をぜひ教えてください!

食べ物の話になると、笑顔になってしまいますね(笑)。私の胃袋を完璧に掴んで離さない「勝負飯」が2つあります。

1つ目は、成田にある『米倉食堂』の「ニンニクロース焼肉定食」です。普通盛りでも山盛りのご飯がどんどん進んでしまう、疲れた体には最高のご馳走です。

2つ目は、富里エリアにある『ラーメンショップネモト』の「ネギチャーシュー麺」です。

この2つは、食べるたびに明日への活力がみなぎる、まさに命を救ってくれる勝負飯ですね。

――ローカルでリフレッシュできるおすすめの場所や方法はありますか。

疲労が極限まで溜まったときは、スーパー銭湯『崋の湯(華の湯)』か、ミネラルが非常に豊富で体を入念に癒やしてくれる『アートホテル成田』の地下にある「成田温泉 美湯」によく行きます。

 

週末の特別なリフレッシュとしては、土日の朝7時から10時という混雑しない時間帯を狙って、香取市の『農園リゾート THE FARM』へ、気心の知れたマッチョな仲間たちと向かいます。 そこで静かに温泉に浸かり、冷たい水風呂に頭まで浸かり、普段の経営やセッションで熱くなった脳を「急冷」します。信頼できる仲間たちと、自然に囲まれながら静かに湯に浸かる。この静寂と調和の時間が、次の戦いへと力強く送り出してくれる、何よりの贅沢な時間ですね。

――小幡さんの、内に秘めた熱いパッションと、人間味あふれる温かい素顔がとてもよく伝わりました。本日はありがとうございました!

小幡 昇永 氏について

SUCCESS小幡様

千葉県成田市出身。高校時代にサッカーの試合中に足首を負傷した経験から、トレーナーの道を志す。アメリカ・ロサンゼルスへ渡り、献体解剖に立ち会うなど解剖学を学んだ後、帰国。大手パーソナルジム「RIZAP」に入社し、東京・札幌で接客やトレーナーとしての経験を積む。

その後、成田でのジム開業を目指すも、コロナ禍などにより計画が頓挫。整体から再起し、手元に残った1枚の整体ベッドをもとに融資を受け、パーソナルジム「SUCCESS」を創業。現在は代表として、解剖学や整体の技術をベースにしたオーダーメイドのパーソナルトレーニングを提供している。

成田市を拠点に、運動初心者や体力・体型に悩む女性、生活習慣病に悩む方に寄り添い、一人ひとりに合わせたトレーニングを通じて、地域の健康づくりに取り組んでいる。


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